寝酒は睡眠の質をさげる?!アルコールと睡眠の意外な関係性

記事提供元:心と体のストレスケアマガジンWASA-V

薬剤師として幅広い対象の方に伝えてきた睡眠とストレスの関係性や対処法について、今からすぐに実践できるお役立ち情報を掲載していきます。

【寝酒は睡眠の質をさげる?】

働き盛りの多くの男性にとっての食事の時間の友として、仕事上のコミュニケーションツールとして、また寝る前のリラックスタイムのお供として、お酒をお飲みになる方も多くいらっしゃると思います。アルコールを飲むことにより眠気が誘われますが、その作用により眠りの質を下げることがよくあります。睡眠時間が確保できたとしても眠りが浅くなり夜中に起きやすくなったり疲れが取れにくいと感じたり。また利尿作用があるため、トイレへ起きることが増えることも有ります。
また、睡眠時無呼吸症候群という病気を聞いたことがある方もいらっしゃるかと思います。睡眠中に呼吸が一時的に止まってしまい日中の倦怠感や眠気などを引き起こすような症状が現れます。アルコールは筋肉を弛緩させる作用があるため、この病気の症状がある方については悪化させる可能性があります。

【睡眠薬の活用について】

あまりに多忙であったり、ストレスが強い場合、食事や運動などの生活習慣の見直しで睡眠がうまくコントロール出来ない場合もあります。そういった時には薬の力を借りることも一つの方法です。
市販されている睡眠改善薬も手軽に入手出来ますが、口の渇きが起きやすかったり、前立腺肥大症などの方は使用できなかったりと意外と難しい点も多くあります。多忙でなかなか病院にかかれない、基礎疾患のない方の一時的な不眠であれば選択肢として良いかと思います。
しかし基本的には一度病院を受診し、基礎疾患の有無を確認し、医師の元で副作用も少なく、体にあったものを選んでもらったほうが良いかと思います。
寝付きの悪い方や、夜中に何度も起きてしまう中途覚醒型の不眠など、一言に不眠と言っても様々な違いが有ります。またそれに合わせて超短時間型の睡眠薬から長時間型のものまで色々な特徴を持った薬がありますので、体に合うものと出会えると睡眠に関するストレスは大きく減っていきます。

【アルコールと薬の関係】

かつての睡眠薬は安全域が狭く、使用方法を間違えば命に関わるようなものもありました。科学技術の進歩により現代の睡眠薬は比べて安全性が高く、医師の指示に従って使用すれば副作用等は少ないものが主流となっています。
しかしながらそういった睡眠薬も使い方を間違えれば身体に大きな負担がかかります。
自己判断で薬の量の調整をするのはもちろんいけませんが、アルコールとの併用が一番よくありません。
アルコールと睡眠薬は一緒に飲むことで効きすぎてしまったり記憶がなくなったりしてしまうことがあります。
仕事などで仕方なくアルコールを飲む際には睡眠薬とは併用しないように厳重な注意が必要です。

【まとめ】

現代の働き盛りの男性にとっては、楽しみとして、また仕事のツールとして使うことの多いアルコール。心をリラックスさせたり眠気を誘う作用はありますが、睡眠の質を高めるという意味ではオススメは出来ません。
食事や運動などの生活習慣が一番の基礎ですが、満足が得られない場合には医師などの専門家へ相談をされるといいかと思います。

著者プロフィール
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遠藤 敦(えんどうあつし)1978年、千葉県生まれ。
薬剤師。東京薬科大学薬学部卒業。国立病院にて 病院薬剤師業務に2年間従事。
その後、調剤薬局業務、ドラッグストアでの 一般用医薬品販売等を経て、2011年、公認スポーツファーマシスト認定。同年、日本初のドーピング防止活動を事業として行う株式会社アトラクを設立し、 代表取締役に就任。同社にてスポーツファーマシストの業務支援や教育活動を行う他、調剤薬局事業、薬剤師業務コンサルティングなどに携わっている。著書『うっかりドーピング防止マニュアル』リバネス出版

本記事の引用元:心と体のストレスケアマガジンWASA-V・薬剤師が教える睡眠ケア【ビジネスマン編】vol.4

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