スポーツ施設版・費用をかけないでマーケティング調査をする方法

マーケティングの定義は千差万別。日頃から関わる会員さんの意見やイベント毎でのアンケート、入会時の個人情報等々、マーケティングデータ活かしていますでしょうか?新たに費用をかけないでも出来るマーケティングデータの活用方法を記載します。

目的意識が大事?!

新たに施設をOPENする際にも、既存の施設で新たなプログラム導入やキャンペーンも必ずマーケティングデータを参考にしていると思います。

<ここでいうマーケティングデータとは目的を達成する為の必要情報という定義です>

仮に目標を“新たな顧客の創出(売り上げの増加)”をテーマにした場合
※例題をスポーツ施設集客のテクニック①から引用

まずは過去利用者のマーケティングデータの把握
・顧客属性(年齢・職業・ニーズ 等)
・利用スタイル
・顧客単価
・上手く行ったキャンペーンデータ(失敗したキャンペーンデータ)

そして、地域属性の再確認
・見込み顧客の人数
・見込み顧客のライフスタイル

など、上記のマーケティングを解析して…

それでは、目的を達成する為の必要情報とは例題の中のどれを指すでしょう?

マーケティングデータ調査と考えると複雑に考えてしまうかもしれませんが単純に考えれば

新しいプログラム案を考える際にアイデアベースの施策案に成功確度を裏付ける方法と
マーケティングデータを見て可能性があるのにトライしていない施策案を見つける

スポーツ施設集客のテクニック①では上記2点の視点を合わせて

比較的裕福なシニア層が徒歩圏内に多くいるのに(潜在見込み客20,000人)集客が出来ていないという課題が導き出された。

その理由をまず考えて
・OPEN時間が11時からとライフスタイルに合わない
・シニア向けのプログラムが少ない
・WEB中心の広告をしていた
・入会しても一人だと続かない
など

そこで目標数字を「潜在見込み客の0.5%を入会実現」とすると
100人のシニア会員獲得 売上14,400,000円(月12,000円設定×1年間)
となります。

この数字を目標値に設定した上で
・OPENを7時に変更
・朝方にシニア向けプログラムを充実させる
・地域を絞った新聞折り込み、タウン誌にも広告出稿
・お友達紹介割引で入会促進及び交流の場として利用してもらう

上記のようなアクションプランをマーケティングデータから仮説しました。
ちなみに先程のどれが必要情報かという答えは全てになります。

では、例題から考えてみて不適切なマーケティングデータ調査とはどのようなものでしょうか?

例えば
①既存のお客さんは○○プログラムの利用率が60%以上である
②催事販売はサプリメントが多く売れるがウェア類はなかなか売れない
③○○トレーナーの評判がいいのは接客スキルが高いからだ

上記は貴重なマーケティングデータではありますが
①は既存の顧客満足度を上げる施策には有効ですが新規顧客に繋がるでしょうか?
②は顧客単価の向上や催事の企画には役立ちそうですが新規顧客開拓では?
③はサービスの質向上には不可欠ですが…

このように目的を実現する為に必要なデータはなにかをわかっていなければいけません

新しいアンケート調査や市場分析や競合調査などに費用を掛けなくてもマーケティングデータの正しい活用方法さえわかっていれば企画の精度を高められるはずです。

そして注意してほしい点は

責任者(マネージャー)の経験に頼った説明では不十分ということです。
過去の経験値から今回の例題のようなことを頭でイメージして企画する方が多いと思いますが

企画の意図や目的、目指すところはチームで共有していないと思ったような結果は出ません、何故ならリーダーだけが地図を持っていて、他のメンバーは目的地がわからずリーダーについていくというアクションしかないからです。

マーケティングデータ分析に基づいて企画の趣旨と目的を伝えることでゴールのイメージを共有してみてはいかががでしょうか?

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この記事の著者

朝倉 新

朝倉 新

株式会社Keep up 代表取締役
一般社団法人アスリートエール理事

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