集中力が続かない…睡眠時間より質が大事?!慢性睡眠不足が引き起こす体の変化とは。

記事提供元:心と体のストレスケアマガジンWASA-V

薬剤師として幅広い対象の方に伝えてきた睡眠とストレスの関係性や対処法について、今からすぐに実践できるお役立ち情報を掲載していきます。

【昨日はしっかり寝たのに、集中できない?】

大事なプレゼンの前の日、しっかりと準備して体調を整えるべく早めに床についたのに、いざ本番で集中できない。そんな経験をされた方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか?それは、慢性的な寝不足が引き起こす脳力低下によるものかもしれません。

寝不足にも、徹夜などによる急性の睡眠不足と、日々の睡眠時間が短いために引き起こされる慢性的な睡眠不足があります。
日本人の就労者の出勤日の睡眠時間は海外に比べ、短いという国際調査結果もあり、多くの方は後者のほうに該当する可能性があります。

いざというときに確保したい集中力を守るのは、前日の睡眠時間より、毎日の睡眠時間の確保と質の向上です。通勤電車の中で寝ることで睡眠時間を確保することも出来ますが、睡眠の質は低いため、あまり効果的ではありません。

【慢性睡眠不足が引き起こす身体の変化】

慢性的な睡眠不足が続くことにより日中の眠気や集中力低下が起こることは容易に想像できるかと思います。
こういった睡眠不足やストレスフルな状態では、体内でコルチゾールという俗にいうストレスホルモンの値が上昇します。

コルチゾールは体内で血糖値や血圧、免疫などに関与しており、過剰な状態が続くことにより糖尿病や高血圧症などの様々な生活習慣病の原因となることが考えられます。また、脳にも作用し、長期化したストレスのもと高いコルチゾール値が続くと、記憶をつかさどる海馬の機能低下や萎縮を引き起こすと考えられています。

また人間の体内に、食欲を増すグレリンと、満腹感を伝えるレプチンというホルモンがあります。このホルモンのバランスが食欲に影響すると考えられていますが、睡眠不足によりこのバランスが崩れ、食欲が増える方向に傾きやすくなり摂取カロリーの増加をもたらすことがあります。

【ストレスを減らし、カロリーも減らすには】

高ストレス下で睡眠不足が続くことにより、集中力が低下し、仕事の作業効率が落ち、労働時間が長くなり、また睡眠不足に。そんな悪循環に入る前に切り札が欲しいところです。

この選択肢の一つが、運動です。特にジョギングやサイクリング、水泳などの有酸素運動がオススメです。ストレスの解消やダイエットに効果がありますが、肉体的な疲労を適度にもたらすことにより睡眠の質も向上させます。
有酸素運動とは、弱い負荷で長時間、酸素を取りながら行う運動です。週に3回以上、20分以上行えるといいと思います。

日常の業務で運動の時間を取ることが難しい方も多いかもしれませんが、いつも使う駅から1つ、2つ手前の駅で降りて歩いて通勤してみることや、自動車通勤を自転車通勤に変えてみるなど、ちょっとの工夫で出来ることもあるかもしれません。
運動中は普段と違う脳の領域が働くため、今まで行き詰まっていた案件を切り抜けるアイデアが出るかもしれません。

【まとめ】

集中力が維持できない。そんなときは生活習慣病の予防のためにも、ちょっとした運動を生活に組み込んで睡眠の質を上げてみてはいかがでしょうか。もちろん台風の日も雪の日もやるといった必要はないので、無理のない範囲からで問題無いです。急激に激しい運動を生活に盛り込むとストレスになって逆効果になりますので、楽しめる範囲からはじめましょう。

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著者プロフィール
遠藤 敦(えんどうあつし)1978年、千葉県生まれ。
薬剤師。東京薬科大学薬学部卒業。国立病院にて 病院薬剤師業務に2年間従事。
その後、調剤薬局業務、ドラッグストアでの 一般用医薬品販売等を経て、2011年、公認スポーツファーマシスト認定。同年、日本初のドーピング防止活動を事業として行う株式会社アトラクを設立し、 代表取締役に就任。同社にてスポーツファーマシストの業務支援や教育活動を行う他、調剤薬局事業、薬剤師業務コンサルティングなどに携わっている。著書『うっかりドーピング防止マニュアル』リバネス出版

本記事の引用元:心と体のストレスケアマガジンWASA-V・薬剤師が教える睡眠ケア【ビジネスマン編】vol.2

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