②老舗スポーツクラブに新風を取り込みたい 「セサミスポーツクラブ 三鷹」

文: 小島沙穂

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「作り手の思い」が仕入れ担当者の心を動かす

製品導入の一番の決め手はメーカーさんの熱意だと思います。製品の導入を検討する際、大抵まずそのメーカーの営業さんに来ていただき、まずはじっくりとお話を聞くようにしています。メーカーの意図と弊社の方向性が合致すれば、また施設内のショップで商品販売を展開していくイメージがつけば、どんどん積極的に取り入れていきたいです。その商材に対して、営業さんがどれだけ情熱をもっているか、というのもチェックポイントですね。その商品に自信を持っているのか、そうでないものなのか、お話をお伺いしていていれば伝わってきます。意味があるモノを売ろうとしているか。ものにあふれた現代、ただ「良い」ものというだけでは特別魅力的には映りません。だからこそ、「作り手の思い」、特に営業さんの持つ情熱やパワーに導入の意志が大きく左右されると思います。

「作り手の思い」が決め手になるのは、Web上での取引でも同じです。しかし、Webの場合は対面でお話するときとは異なり、メーカーさんの“顔”も“言葉”も、我々バイヤーにまで届きづらいということがあるでしょう。それでも、商品の説明文や写真の使い方など、熱意を表現できる方法はたくさんあるはず。スポーツ流通.comでも、ぜひメーカーさんの思いを見せていただきたいと思います。

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「メーカーの声」だけでなく「バイヤーの声」も聞きたい

先ほども申し上げた通り、商品導入の際に最も参考にしているのは実際に使用した人の口コミです。製品の使用感などの口コミはもちろんですが、私たち各施設の商品仕入れ担当者など、バイヤー同士の情報交換ができると、検討がしやすくなると思います。

例えば、スポーツ流通.comとともに展開した販売会では、どの商品がどれくらいの期間でどのくらい売れたのかなど、実績が見えると良いですね。サイトを見る方々の多くはビジネスを目的とされていると思います。売り上げの指標がわかったり、前例があると導入の判断がしやすいですし、弊社での販売の目安にもなります。販売実績の記事があると、社内のスタッフ同士でも目標を共有しやすいというのもありますね。販売目標を立てたイベントを開くことで、スタッフの意識もモチベーションも高まります。

以前、広島県のスポーツクラブの仕入れ担当者の方とお話する機会があったのですが、私と同じように「新しいものを取り入れたいのに、なかなかうまく行かない」という悩みを抱えてらっしゃいました。もう少しブランディングしていく時にヒントがあれば……。スポーツクラブは施設同士の横のつながりが少ないので、情報交換のできる場はとても貴重です。地方のクラブとならば競合もしませんし、お互い成長していけるヒントを分かち合える場があればと思います。特に、メーカーさんの営業の少ない地方では、情報を欲しがっている施設はたくさんあると思いますよ。なかなか難しいとは思いますが、今後スポーツ流通.comがそういった情報交換の場になってくれることを期待しています。
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<プロフィール>
セサミスポーツクラブ三鷹 熊谷 嘉輝氏
フランクリンメソッドベーシックエデュケーター

学生時代にラケットボールのプレイヤー、インストラクターとして活動していた経験からトレーナーへの道を志す。現在は、セサミスポーツクラブ三鷹のインストラクターとして、主にパーソナルトレーニングを中心に担当。2014年春より、プロショップの商品の仕入れも兼任する。指導時に心がけているのは、「指導中にお客様に毎回一つ笑顔をつくっていただくようなコミュニケーションをとる」こと。

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この記事の著者

小島 沙穂

小島 沙穂

株式会社Playce エディター・ライター

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